蘇生-Re:Birth-

Introduction

　ゾンビ【zombie】
　ブードゥー教で、まじない師が生き返らせて操る死人。また一般に、呪術(じゅじゅつ)などによって生きた姿を与えられた死体。
　――デジタル大辞泉

　ドクン。ドクン。ドクン。
　心臓が脈を打つ。
　僕たちは、こうして今日も生かされている。
　仮に、心臓が脈を打たなくなって死んでしまったらどうなるのだろうか。
　日本では、「死んでしまったモノ」は斎場で焼かれて、骨になるという。そして、そのまま墓の中に納骨されるのだ。
　逆に、海外では「死んでしまったモノ」はそのまま土の中に埋められる。しかし、土に埋められたはずの「死んでしまったモノ」が生きていたら、それはそれで大変だ。だから、墓場から蘇るモノ、即(すなわ)ち「ゾンビ」という概念が生まれるのだろう。
　ゾンビ。生ける屍(しかばね)。そんな事、ゲームや幻想での話だと思っていた。しかし、僕たちが過ごした悪夢の7日間は、所謂(いわゆる)「ゾンビ」と呼ばれるモノとの戦いだったのかもしれない。
　――この話は、僕が実際に体験したことだ。