第117章 夏の京都はめっちゃ暑い 恋も熱くてやけどする

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「今度、休みの時に寄らせてもらうよ」 おっと。 何でもないように軽く言う。 いや、きっと何でもないんだけど。 こっちは、かなりボディブローが効いたぞ。 「ええ、是非」 誤魔化すように営業スマイル。 「それを嗅ぐとハイになるようなやつある?バイク乗っている時にほら、そのペンダントみたいなので燻らせてさ」 私の首元のを指差す。 たしかに、今、付けてるけど。 「バイクは乗るだけでハイになりますよね?岳さんがさらにハイになったら危ないから教えません」 私はそう言ってお澄まし顔でブレンドを口にする。 「そっか、あるんだ」 ただ、ニヤッとする岳さん。人の話聞いてる?絶対に教えない。たか子にも言っておこう。 いや、逆に心が落ち着くやつを教えればいいのか。そっかそっか。 一人でクスッと笑う。 それを見て、伽耶さんと岳さんが顔を見合わせたあと、ただ微笑んでいた。 そんな二人は独身らしい。 おかしいな。 どっちもモテそうなんだけどな。 伽耶さんなんて、既に結婚していて子供もいそうなのに。 でも、やっぱり独身。
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