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「そういえば、佐登美ちゃんといえば、そういう格好しか見たことないな」
すぐ横で岳さんがまじまじと私を見る。
いや、やめて、恥ずかしいから……
「こら、兄さん。女性をそんないやらしい目で見ないの」
伽耶さんがカウンターの中に戻りながら叱る。
「え?俺、いやらしい目をしてた?」
岳さんが自分を指差して伽耶さんと私を交互に見る。
「いや、まあ、いやらしくはないですけど、恥ずかしいですよ」
私は少し頬が火照るのを感じて、顔を逸らして横目で言う。
「いや、俺、ただ、そういう格好しか見たことないって思っただけなんだけど」
本気で戸惑いながら頭を掻く岳さん。
「仕方ないですよ。ここに来る時はバイクなんですから」
「分かった。じゃあ、今度の休みの時、俺がそっちへ行くから、その時に別の格好を見せてよ」
え?
あれ?
なんでそうなる?
日頃思考の速さには自信がある私でも軽くフリーズしている。
そんな私の横で伽耶さんが凛とした目でニヤリとしていた。
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