第117章 夏の京都はめっちゃ暑い 恋も熱くてやけどする

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「そういえば、佐登美ちゃんといえば、そういう格好しか見たことないな」 すぐ横で岳さんがまじまじと私を見る。 いや、やめて、恥ずかしいから…… 「こら、兄さん。女性をそんないやらしい目で見ないの」 伽耶さんがカウンターの中に戻りながら叱る。 「え?俺、いやらしい目をしてた?」 岳さんが自分を指差して伽耶さんと私を交互に見る。 「いや、まあ、いやらしくはないですけど、恥ずかしいですよ」 私は少し頬が火照るのを感じて、顔を逸らして横目で言う。 「いや、俺、ただ、そういう格好しか見たことないって思っただけなんだけど」 本気で戸惑いながら頭を掻く岳さん。 「仕方ないですよ。ここに来る時はバイクなんですから」 「分かった。じゃあ、今度の休みの時、俺がそっち(神戸)へ行くから、その時に別の格好を見せてよ」 え? あれ? なんでそうなる? 日頃思考の速さには自信がある私でも軽くフリーズしている。 そんな私の横で伽耶さんが凛とした目でニヤリとしていた。
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