第125章 神への音楽の奉納

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『こ、こんな感じでいいですか……?』 急に元の虚どりミッキーに戻る。 会場がドッと沸いた。面白すぎるよ美貴子さん。いや、ミッキー。今日から君はミッキーだ。 「嫌です」 反対された。 『驚いた。自分でやらせておいてなんだけど、ほんと驚いた。これほどとは。もう一度紹介、高橋美貴子ー!!』 両手を美貴子さんの方に向けてヒラヒラと振る。 会場中から再度大きな拍手が起こって、美貴子さんは頭を下げて高舞台を降りて行った。 『いやー、急に呼んでごめんね』 拍手が落ち着いて、 『みんなも知ってると思うけど、うちらは珈琲屋もやってるじゃない?それで、そっちに気を取られてライブを疎かにしがちだけどさ、彼女がしっかりライブをブッキングしてくるから、いつもみんなの前で演れるわけ。そういう高橋美貴子を女優業共々よろしくね』 と、()める。再度湧き上がる拍手が収まった後、私は元のようにMCを続ける。 それをみんなが静かに聞いてくれた後の8曲目、 『夢の雫と君の見る星空』 バラードから再開した。 上がった気持ちを優しく包むように、しっとりと歌い上げる。
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