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今にも笑い出しそうな感じが恥ずかしくて、こうして一人で出てきた。
みんなも、そんな私の気持ちを汲んでくれたのか、そっとしておいてくれる。
一人で感動していてごめんね。
ふわっと顔を撫でる夜風が私の髪を揺らす。
その髪が目のとこに掛かって、それを後ろに流そうとすると、そっと横から手が出てきて、その髪を後ろに流してくれた。
「何だ、いたんだ」
軽く振り返ると、そこには由梨の顔。
そのまま後ろから抱きしめてきた。
さらに、その後ろの方に、山元姉妹と美夏さん、由亜さん、美貴子さん。
離れ気味に並んで立っていた。
「もういいかなーと、思ってさ」
「ちぇっ……」
そう言いながらも、私は笑顔が零れる。
「最高だったね」
人の方に顎を乗せて耳元で囁く由梨。
「うん」
前を見たまま頷く。
それからは、しばらくそのまま……
「うぎゃっ!!」
じゃなかった。
幸代ちゃんが左からタックルするみたいに抱きついてきた。
「あうちっ!!」
今度は雪奈ちゃんが、右から抱きついてきた。
二人とも痛いってば。
もっと、優しく、そうそう、そんな感じで……
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