第125章 神への音楽の奉納

25/30
前へ
/243ページ
次へ
今にも笑い出しそうな感じが恥ずかしくて、こうして一人で出てきた。 みんなも、そんな私の気持ちを汲んでくれたのか、そっとしておいてくれる。 一人で感動していてごめんね。 ふわっと顔を撫でる夜風が私の髪を揺らす。 その髪が目のとこに掛かって、それを後ろに流そうとすると、そっと横から手が出てきて、その髪を後ろに流してくれた。 「何だ、いたんだ」 軽く振り返ると、そこには由梨の顔。 そのまま後ろから抱きしめてきた。 さらに、その後ろの方に、山元姉妹と美夏さん、由亜さん、美貴子さん。 離れ気味に並んで立っていた。 「もういいかなーと、思ってさ」 「ちぇっ……」 そう言いながらも、私は笑顔が零れる。 「最高だったね」 人の方に顎を乗せて耳元で囁く由梨。 「うん」 前を見たまま頷く。 それからは、しばらくそのまま…… 「うぎゃっ!!」 じゃなかった。 幸代ちゃんが左からタックルするみたいに抱きついてきた。 「あうちっ!!」 今度は雪奈ちゃんが、右から抱きついてきた。 二人とも痛いってば。 もっと、優しく、そうそう、そんな感じで……
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加