第117章 夏の京都はめっちゃ暑い 恋も熱くてやけどする

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「お、いらっしゃい」 そう言ってバイクを弄る手を止めて、爽やかな笑顔を向ける彼は、奧村岳(おくむらがく)さん、36才。 私より4つ上。 細めの銀縁メガネを掛けていて、髪は短髪を左気味で後ろに流している。カッコいい。 「バイクの機嫌はどう?」 「この前見てもらってから快調です」 「そっか、それは残念」 「えー?何でですか?」 「だって、それだと佐登美ちゃんのバイク弄れないだろ?」 もうちゃっかりと名前で呼んでくる。 でも、兄貴的であって、女たらしの方ではない。 「弄りたい(改造したい)んですか?」 「まあね」 そこでウインクするのはやめてください。似合っているので。 前にも話を聞いたけど、岳さんは、いろいろ弄る(改造する)のが好きらしい。 まずはマフラーを変えようよとか言ってくる。 その後、エアクリーナー変えようとか、ハンドル変えようとか、営業とは別の意味で言ってくる。 とりあえず、この子はこのまま(ノーマル)で気に入っているから、その辺は断っている。 きっと一度任せてしまえば、全く別物の子になると思うし。
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