第117章 夏の京都はめっちゃ暑い 恋も熱くてやけどする

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でも、そんなところは、 『バイクが好き』 なんだろうなと、思う。 今日もとりあえず、彼の視線の先に私が映った。 それで満足。 「じゃあ、隣に行きますね」 と、喫茶店の方を指差す。 ここは、一つの建物がバイク屋と喫茶店になっているのだ。 喫茶店の方は、岳さんの妹の奥村伽耶(かや)さんが一人でやっている小さなお店。 もちろん、バイク好きが集まるけど、伽耶さんは別にバイクが好きというわけでもなく、免許も持っていない。 岳さんのところに集まる連中がつい溜まるというだけ。 見た目は薄茶の木の板の壁でウッディな雰囲気。 そして少し大きめなガラス窓の付いたウッディな木のドアを開けて中に入ると、中もウッディな雰囲気。 そんな中に佇む知的な視線の女性が伽耶さん。 眉のちょっと上で前髪を真横に揃えていて、ポニテにしてる。ちなみに同い年。 「佐登美さん、いらっしゃい」 伽耶さんも名前で呼んでくれる。 私がここに来過ぎているだけだろうけど。 来過ぎる理由。 そういえば、30を過ぎて、初めての気持ちかもしれない。 それまでだったら、すぐにアタックして付き合い始めるか、ダメならすぐに切り替えていた。
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