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運命の輪
「よろしくてよ。マリア。それじゃァ、そのタロットカードで占ってちょうだい」
姫香はアゴでカードを差した。
「占う……?」
「そう、『占いの館』で私のパートナーとして働くかどうか?」
「フフ、わかったわ。じゃァ」
笑みを浮かべタロットカードから一枚を選んだ。ボクも姫香も黙ってマリアの選んだカードを見つめた。
ゆっくりひっくり返すと、リングをスフィンクスが守っているような絵柄だ。
「運命の輪ね」姫香がつぶやいた。
「う、運命の輪……?」ボクは聞き返した。
「ええ、運命の輪が回り、次のステージの扉が開くという事を暗示しています」
マリアもうなずいた。
「チャンス到来ね」
「そうです。新たにスタートを切ると言うことも暗示してます」
「じゃァ……」
「ラッキーチャンスは突然舞い込むとあります」
「フフ、じゃァOKってことね。二人で運命の扉を開けましょ」
姫香は熱烈にマリアにハグした。
「いつかは占い師になりたいと思っていた」
「そうね。きっとマリアなら夢を叶えられるわ」
「ウン」ボクにも未来の彼女が見えるようだ。
マリアが世界一の『占い師』になる姿が。
THE END
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