9人が本棚に入れています
本棚に追加
エピローグ
「フフ、良かった。じゃァ別れて正解だったようね」
姫香は自嘲気味に笑ってみせた。
「ええェ、それともうひとつ」
マリアもうなずいて続けた。
「もうひとつ?」
「ザ・ムーンのリバースには、協力者が現れるという事を暗示しています」
「フフゥン、協力者ねェ……」
姫香は小悪魔のように微笑み続けた。
「じゃァマリアにパートナーになってもらおうかしら」
「私にですか?」マリアも眉をひそめた。
「そうよ。私が『占いの館』のオーナーをするから、そこでマリアに女主人として占ってほしいの」
「占い館で……」
「ええェ、もったいないわ。マリアほどの美少女占い師が、未成年者だからってタダで占うなんて。私が羽振りの良いセレブな叔父様を紹介してあげるから、たんまりふんだくって差しあげましょう」
姫香は小悪魔みたいに微笑んだ。
「ちょっと姫香さん。ふんだくってって」
ボクは釘を刺そうとした。
「黙ってらっしゃい。太陽! 良いこと、占いで報酬をもらうことは決して悪いことではないのよ。正当な対価なんだからね」
「そりゃァそうかもしれないけど……」
「どんな資産家だって未来は漠然としているの。占いに頼ることも必要な事なのよ。昔、アメリカの大統領だって占星術で政策を決めていたって話しもあるくらいなのよ」
「だけど、その話しは都市伝説でしょう」
ボクも異を唱えた。確かに噂には聞いたことはあるが。
「マリアみたいにミステリアスな美少女が占えば、絵になるわ」
「絵って……、それじゃァ」またボクは反論しようとした。
「お黙り、太陽」
「はァ……」
「人は見た目が九割なのよ。マリアのビジュアルはミステリアスな占い師として完璧なの。必ず成功するわ」
「そりゃァ、そうかもしれないけど」
最初のコメントを投稿しよう!