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シークエル《後日談》
その後、姫香は父親に真相を確認したらしい。
三日が経ち今日も快晴だ。うららかな春の日差しが眩しい。見上げると目が覚めるような青空が広がっている。
マリアと一緒に帰宅する途中、公園の前で真っ赤なポルシェが停まった。姫香の車だ。ゆっくりとドアウィンドウが開き、姫香が声を掛けてきた。
「フフ、マリア。待ってたわ」
叔母は帰り道を待ち構えていたみたいだ。
吹っ切れたように、いつもと変わらない様子で話しかけてきた。
「あ、姫香さん」無意識にボクは反応した。
なにか占いのことでクレームがあるのだろうか。
マリアはかすかに眉をひそめた。
「話しがあるから、ちょっと良いかしら?」
姫香は笑顔でドライブに誘ってきた。
「ええェ、構わなくてよ」マリアも笑みを浮かべうなずいた。
誘われるままにマリアとボクは派手なポルシェに乗り込んだ。すぐに甘い香水の匂いが鼻孔をくすぐった。
車内にはあいみょんの『マリーゴールド』が流れていた。ノスタルジックな気分になる名バラードだ。
「さすがね。マリア。やっぱりあなたの占った通りだったわ」
姫香は車を発進させながら微笑んだ。
「そうですか」
「それじゃァ健太さんは、お祖父さんの?」
ボクはハンドルを握る叔母に訊いた。
叔母の姫香には父親でもボクにとっては、父親の父親、つまり祖父だ。
車は海の見える公園の駐車場に停車した。かすかに潮の香りが漂ってきた。さざ波の音が聞こえてくる。
「私の母親は病気がちで、そんなとき、看護師をしていた健太のお母さんと出会ったらしいわ」
「看護師の」
「ええェ、健太がお母様に私のことを紹介した時に気づいたらしいの」
「そうですか」
「私は合コンの時の登録名で紹介されてたから付き合っていた当初は、占部優作の娘だとは思わなかったらしいのね」
「登録名?」
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