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☆深×アザミ(アズミ)
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「目隠しを付けさせて欲しい」
最初に体を重ねる前、男は「アズミ」にこう告げた。
今回のアザミの標的である男の名は、深。
巨大駅のそばに位置する夜のない歓楽街、白夜区において、大陸出身の労働者や経営者たちを支援してきた善意の団体として知られる「陸神会」の二代目会長である。
アザミのフェロモンに激しく反応を示したものの、33歳とは思えぬ重厚な貫禄を漂わせる怜悧で慎重な男は、新顔の接近を容易く許すことはしなかった。
そのため、わずかなチャンスも逃すわけにはいかない。
そう判断したアザミは「今は、危険な賭けにのるしかない」と死も覚悟した上で目隠しを承知し、自由のない体で深を受け入れたのである。
しかし無体を強いる一方で、アザミの目隠しを外すと、深は優しく見つめながらキスを贈るのだ。
一方的な情事と誠実なキス。
そんな日々が続くうちに、アザミが切ない胸の痛みに気づく。
その痛みとは、目隠しによって隔てられる深との距離。
すなわち「白夜区の飲食店で偶然出会った作業員『アズミ』が、嘘いつわりなく深を愛している」という証だと言えるだろう。
その証が心の中に存在するからこそ、アザミは潜入調査の身でありながら、誤魔化しの効かない深の瞳を、真っすぐに見つめ返すことが出来るのだ。
互いに隠しながら、愛し合う。
こうして今日もまた夜のない街で、底を見せぬ男たちによる歪んだ愛の駆け引きが、繰り広げられていくのである。
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深は「今度の標的は、まだ96シリーズに登場していない長髪にしよう」と思い立って誕生した「【7】目隠し鳳凰編」にて初登場した、ラスボス感ただよう(笑)ゲストキャラです。
現時点では【7】本編のみの登場にも関わらず、前回のお気に入りキャラ投票でも第3位(「96」関係者以外では1位)をいただくことが出来ました!たくさんの応援をありがとうございます!
これから【7】を読んでくださる方がおられましたら「彼は善人、悪人、どっちだろう;?」と、ドキドキしていただければ幸いです//
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