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 1ー1 ピンチです!  「マジックバレット!」  僕は、集中して目の前の敵に向かって炎の弾丸を放った。  「ぐわっ!」  山のような大男たちが次々に吹き飛んでいく。  「ぅんっ!」  体の奥から突き上げてくる甘い痺れに僕は、思わず声を漏らしてしまう。  ダメだ!  僕は、目を閉じて頭を振った。  ここで集中を解けば僕たちは、終わりだ!  僕は、歯をくいしばって次に襲ってくる山賊たちへと向き直った。  「シルフィード!」  ごうっと音が渦巻き大気の刃が舞う。  「がぁっ!」  体を切り裂かれて大男たちが膝をついた。  「まさか、こんな力を隠していたとは・・・」  山賊たちのリーダーらしきオークのような顔をした醜い大男が呟いた。  「噂では、魔法学園の劣等生だとかきいててっていうのによぉ!」  「バカどもが!」  山賊たちに押さえ込まれていたキーンが逃げ出して僕の側へと駆け寄ってきた。  「ラムダ様は、魔法が使えないんじゃない!魔法を使わないんだよ!」  「キーン!」  僕は、山賊たちから目を離さずにキーンに命じた。  「さっき通った町まで戻って助けを呼んできてくれ!」  僕は、がくがくしてくる膝をなんとか支えながら熱い吐息を漏らした。  「んぅっ!」  もう、限界だった。  これ以上魔法を使ったら僕は。  呼吸をあらげている僕を見て山賊のリーダーは、にやりと笑った。  「たまらねぇな、今すぐ楽にしてやるぜ?坊っちゃん」  「言うな!」  僕は、叫んだ。  「キーン!速く行け!」  このままじゃ、キーンまでこの男たちの餌食になってしまう。  彼だけでも逃がさなくては!  僕は、きっと視線をあげると山賊の頭に向かってしっかと立ち上がった。  「ファイアーアロー!」  「無駄だ!」  山賊の頭が高笑いしながら黒く輝く玉を差し出した。  「こんなこともあろうかと依頼主がくれた魔法防御の魔道具がこっちにはあるんだよ!」  僕が放った炎の矢が全て黒い玉へと吸い込まれていく。  もう、だめっ!  僕は、力尽きてその場に倒れ込んだ。  体が。  熱い。  「あっ・・はっ」  僕は、霞んでいく意識の中であの男のことを思い出していた。  
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