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愛が入院してまだ十日…
愛は既に入院に飽き飽きしていた。
今まで、ずっと自由奔放にして来た愛にとって…ジッとしてるのは一種の苦行だろう。
「お腹の中の子の為とは言え…辛い…」
「我慢よ…愛」
母さんが愛を窘めた。
「失礼します…担当医の槇村です…」
「どうぞ…」
母さんがドアを開けた。
「槇村先生…」
「回診の時間です…」
槇村先生は電子カルテを持って看護師を伴い入って来た。
「あ…小池さんも居たんだ…」
「はい・・・」
「神宮寺さん、具合はどうかな?」
「動けないから…ストレスで死んじゃいそうよ…私、いつまでこうしてなきゃいけないの?槇村先生」
「・・・出来れば、産み月まで持たせて欲しい所だけど…」
「産み月って…無理無理無理…波瑠の時は順調だったのに…どうして??こんな事になるのよ…私には仕事だってあるのよ…」
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