2236人が本棚に入れています
本棚に追加
エレベーターでロビーまで下りると偶然、副社長とウチと大手製薬会社『ソーマ』は共同出資して設立された薬品系化粧品『ハートフル化粧品』の会長秘書であり、秘書室長の栗原さんのご子息・栗原柾貴(クリハラマサキ)さんたちと会った。
「副社長に柾貴さん…」
彼の方が先に二人に声を掛けた。
「永遠と小池ちゃんか…」
今日は確か…槇村先生の講演会の日。同じホテル内で開かれていたのは知っていた。
「その顔は無事に講演会終わったようですね…」
「まぁな」
「盛況でしたよ…ねぇー…拓真さん」
「あぁ」
「海外事業部の野島と受付嬢の荒木さんの挙式披露宴だったな…」
「はい…」
「しかし…部署的には関係ないと言え…佐久也とかには手伝って欲しかったよ…野島ももう少し披露宴の日を考えてくれよな」
「無事に終えたんだし…そう文句は言わない方がいいですよ、拓真さん」
「!?」
永遠さんの上着のポケットのスマートフォンが鳴り響く。
「誰だ??」
永遠さんは上着のポケットから取り出した。
「どうしたの母さん??」
――――永遠…愛が…愛が・・・
「愛がどうしたの??」
――――勝手に動いてしまって…今、緊急帝王切開でオペ室に運ばれたのよ…
「えぇ~っ!?愛のヤツ・・・」
最初のコメントを投稿しよう!