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巫女
部屋に人の気配を感じて私が目を覚ますと外出の準備を整えたお兄ちゃんが立っていた。
「おはよう リナ」
「教祖様が亡くなられたそうですね。
最近入ったばかりの新しい巫女の仕業みたいですけど…
お父さんが忙しくて可愛いそう。」
リナはベッドの上で上半身を起こすと不安そうな表情を浮かべている。
「ああ そのようだね…
准一教祖も油断していたんだろう。
あんなに強い力だとは思ってなかっただろうから…
でも大丈夫だよ、教祖はじきに戻るから心配しなくていい。
リナ 最近、怖い夢は見るかい?」
「いいえ… お兄ちゃん。」
「そうか… ソレはよかった。
これからココに警察の人達がやってくる
暫く私とは会えなくなるが心配しなくていい。
全てが終わったら戻ってくる…
だからリナは待っていてくれ。」
「はい… お兄ちゃん。」
「まだ起きるには早い時間だ…
もう少し眠りなさい。」
そう言われ私はまたベッドに潜りこんだ。
お兄ちゃんが私の頭を撫でてくれる。
「じゃあいくよ。」
その言葉を聞き終わる前に私は眠りの暗闇の中に落ちていった。
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