レッスン4

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レッスン4

 俺は佐奈子さんとデキてしまった。  そうなれたらいいなぁ、と途中からずっと思っていたので、とってもうれしかった。  そのラブシーンの所為で研究所には何組ものカップルが誕生してしまった。先輩曰く、毎年の恒例行事だよ、ということだったが・・・。でも夏になり、次の芝居の稽古が始まるとほとんどのカップルが夢から覚めたようにフリーに戻って行くとのことだった。  俺と佐奈子さんは・・・。  俺が研究所だけじゃなく、キャンパスにも夕刻から通っていることに、佐奈子さんはとても感激してくれ、ともすると授業をさぼり阿佐ヶ谷の佐奈子さんちに入り浸りかけようとする俺を、 「きっと卒業するのよ、卒業しないとだめよ」  まるでお姉さんのように叱咤激励して、授業に向かわせてくれた。  そのおかげで前期に20単位も俺は取得することが出来た。  ぎこちない18歳の歩みを続けていた俺だったが、演劇への思いやキャンパスライフの醍醐味や佐奈子さんという年上の彼女も得て、 「ええ感じやなぁ」 と有頂天になっていた。  そんな矢先、その佐奈子さんが突如失踪してしまったのだ。
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