5人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
レッスン7
そのことを研究所で仲の良かったTに伝えると、
「うち来いよ」
東北沢で一番汚いTのボロアパートに向かった。
これまでの経緯を話すと、
「とにもかくにもお前はふられたんだよ」
ととどめを刺してくれた。
「おまえには演劇という大いなる未来があんじゃん、6つも年上の女にうつつを抜かしている時間はねぇぞ」
「6つ!?3つだよ」
「6つらしいぞ俺たちより、Mさんが言ってたよ、免許証見たって、いや違った9つだ、そうだMさんは俺らより3つ上だから、そのMさんが俺より6つ上って言ってたんだから3+6は9つだ」
ワンツーパンチでボコボコだった。
「どっちだって何だっていいよ、ダボッ!」
「何語で俺を罵ってくれた!?」
「生粋の日本語の播州弁じゃダボッ!」
「ダボッ!良いなぁ、良い響きだな・・・ダァボッ!」
その夜は飲んだくれて、俺はもう埒もなかった。アラレもなく無様に酔い潰れた。
ダボのTがいてくれたおかげで俺は助かった。
最初のコメントを投稿しよう!