番外編 ハロウィンの訪問者

6/6
前へ
/52ページ
次へ
「……オレオ、今度来た時はさ、もっと長くいてくれるといいね」  あの子はきっと、透也さんと一緒にもう一度走りたかったんだろう。  きらきら光る川と、河原の遊歩道が浮かぶ。俺は小さな目標を立てた。毎日少しずつ体を鍛えよう。来年のハロウィンにオレオが来てくれたら、負けないぐらい早く走れるように。 「透也さん、また俺と一緒に走ろう。あんまり早くないけどさ」 「ん……。あ、りがと」  透也さんの口元が少しだけ緩む。 「大事にされた子たちはさ、大好きな人の側に、時々帰ってきてくれるんだよ」  頷きながらぎゅっと抱きついてくる恋人を、俺はそっと抱きしめた。  ──・──・──・――・――・――・── 大切な存在や大事な子が、そっと帰って来る。 そんなことを思いながらのハロウィン🎃👻の夜の話でした。 短めですみません。もう一つお話続きます🌸
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1334人が本棚に入れています
本棚に追加