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「透也さん……大好き」
「るき……」
「ん……あっ! やっ」
透也さんは俺の膝裏を持ち上げた。手前の浅いところをゆるゆると動かして、感じる場所を何度も擦り上げる。その度に堪らずナカを締めつけてしまう。
「ああ……琉貴。きゅうきゅう吸いついてくる。まるでナカでもキスしてるみたいだ」
「ッ。透也さんのばか!」
「赤くなる琉貴も可愛い……泣かせたくなる」
透也さんの動きがいきなり激しくなって、俺は我慢しようと思っても声が抑えられない。すっかり透也さんに馴染んでしまった体は、もう知らなかった頃にはきっと戻れない。奥を何度も突かれ、指と指を絡められて、中に一際大きく打ち付けられた。
「あ! ああああ!」
奥に注がれた熱いものがナカに満ちて、爪先までが快感に痺れていく。びくびくと震え続ける体を透也さんが抱きしめてくれた。
「るき……琉貴。今日は、たくさんしよ」
甘い甘い囁きに蕩けたままで頷いた。
「あーんして、琉貴」
「……つぶれちゃっても、美味しい」
「ごめんね、また買いに行こうね」
動けない俺を後ろから抱きかかえて、透也さんがへこんだシュークリームを食べさせてくれる。
あれからさんざん抱かれて、気がついた時には日が暮れかけていた。かいがいしく俺の世話を焼く透也さんは、心配そうな瞳をしている。大きな犬が申し訳なさそうに、きゅーんと鳴いてるみたい。
何だかおかしくなって、振り向いてちゅっとキスをしたら、唇にクリームが付いた。ぺろりと舐めた透也さんが、嬉しそうに「甘い」と呟く。可愛い。
「ねえ、透也さん」
「ん?」
「俺、時々思い出すんだ」
不思議そうな透也さんに、子どもの頃、父親がよく言っていた言葉を教えた。
――毎日の中でちょっと良かったことを大事にするんだよ。お日様がきらきら光るようなことを。
毎日集めたお日様の欠片で心があったかくなって、琉貴を元気にするよ。
「透也さんといると、欠片がいっぱい集まる」
「……僕も」
俺の体を、透也さんがぎゅっと抱きしめた。ふわりと触れた髪がくすぐったい。見上げると綺麗な瞳と目が合った。
「……琉貴、夕飯の水炊きは僕が作るね」
無理させてごめんと囁く透也さんの言葉に、思わず吹き出した。
この人といたら、毎日たくさんの温かい光の欠片が降り注ぐ。楽しみ、と言ったら、透也さんはお日様みたいに笑った。
──・──・──・――・――・――・──
透也&琉貴の物語にお付き合いいただき、ありがとうございました。
こちらで完結です。クリスマスにまた番外編を書けたらいいなと思います😊🎄🎁
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