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3日後・・・
「小町さん!!よろしくお願いします!!」
研究職で1番若い男の子、竹之内君が元気な声で生ビールを持ち上げそう言ってくれた。
その掛け声に合わせ他の皆も声を出し、乾杯をした。
チェーン店の居酒屋のお座敷。
こういうお店に入るのは初めてだった。
これまでの部署では結構お洒落なお店での歓迎会だったから。
“生でいいですか?”と聞かれ、頷いた。
初めて飲む生ビールは苦かった。
お酒が強そうに見えるようだけど、私はお酒がほとんど飲めない。
“飲めない”というより、“飲まない”。
お酒を飲むと眠くなるから。
私はとにかく眠りたくなくて。
夢を見てしまうから。
大好きな人の夢を見てしまうから。
「小町さん、これ美味しいですよ!!」
若い女の子・・・。
今年25歳の米倉さんが唐揚げをお皿に盛り私に渡してくれた。
それにお礼を言って一口は食べる。
最近脂っこい物を食べると少し胃もたれをするようになってきた。
「矢田さ~ん!!唐揚げです!!」
「すみません。」
米倉さんが矢田さんに唐揚げを沢山盛ったお皿を渡していた。
「矢田さんって37歳になったのに唐揚げ大好きなんですよ!
結構食べるのに細くて、全部脳に栄養が回ってるんだと思ってます!!」
「だから新薬を創り出せるんだろうね。」
矢田さんは、うちの会社で斬新な切り口により次々と新薬を創りだしている。
「矢田さん!今日は何も落とさないで下さいよ!!」
「矢田さん急に何か落とすから~!!」
「仕事中はないけどね?
他の部署の人達から、女の子に話し掛けられるとキョドってるって噂されてますよ!?」
「全然そんなことはないのに、たまに何か落としたり挙動不審になっていたりするからですよ!!」
矢田さんの周りには女の子や同年代くらいの女性が沢山座っていて、その皆が甲斐甲斐しく矢田さんのお世話をしている。
仕事は出来る人なのだと思うけど、だからか抜けている所もある人のようで。
“すみません”を繰り返しながら女の子や女性達に何かをやってもらっている。
「小町さんって社長が決めた婚約者がいるんですよね!?
俺驚きましたよ!!
今の時代でも社長の娘ともなるとそういうのがあるんですね!!」
若い男の子、竹之内君が遠慮なくそう言ってきた。
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