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奥出くんがシュートを決めると、女子の黄色歓声は一層大きくなる。ここの観客席にいる女の子の半分以上は奥出くんのファンてことらしい。
それはそうか。さっきの話し方でもわかるくらい気さくで卑しさとかなかった。
笑顔はめっちゃ爽やかだったもんね。
そんなことより…試合が面白く展開してる!
他の男子のプレーもちゃんとみなくちゃもったいない。練習試合中、どっちの応援ポイントがあるし、プレイも参考になる。
素晴らしいプレーをしたら、周りが黙っていてもすごーい!と騒いでしまった。相手側のチームのいいプレイ、点が入ってもあたしは思わず拍手を送って白い目で見られてしまった。
「あー、楽しかった!!接戦だった」
あたしは試合が終わるとそう言って伸びをした。優衣もにこにこ笑っていた。
「楓ちゃん、誰よりも試合を楽しんでたね」
「いやぁ、白熱したねー!強豪同士で動きは参考になりまくりだった。ムービー取れて大満足よ」
さて、帰ろうかと、そのまま座席から立ち上がり歩みを進め一回に降りて体育館から出ようとした。
「おーい、かみやまさーん!」
奥出くんがあたしを見つけたようで声をかけてきた。大きく手を降っている。あたしは思わず振り返す。
それと同時に、周りの女の子に睨まれている視線が痛かった。
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