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観覧席から降りたところで奥出くんが待ち構えていた。
じろじろ見られてる。女子の視線まじこわ。
奥出くんはそういうの気にならないようで近づいてきた。
こないで、近づかないで〜!
別にきみ自身には興味はないんだ。プレーだけに興味があるの!
心のなかでは言えるのに、いざ知り合いでもない男子言葉では言えない。
「いっちばん白熱してたね。俺、応援されてなんか元気になった」
「そそそそそ…そう?!」
極度の緊張で噛んだ。はずかしい。
なんでこっちに話しかけてくるの?!
「なに、あの子。馴れ馴れしく湊くんと話さないでよね」
通りがかった一人がぼそっとあたしに言ってきた。奥出くんなんてきっと追っかけめちゃくちゃ多いはずだし。悪意は本人じゃなくて近くにいる当たりやすい人に向けられるのは知ってる。それくらい言われてるか。慣れてるよ、大丈夫。
悪意ある言葉に湊が反応した
「は?いま、誰が言った?馴れ馴れしくしてるのはこいつじゃなくて、俺なんだけど」
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