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蓮実くんは毎日どこかのタイミングで話しかけに来てくれる。
よくわからないけど、保護者精神なのかな。
話に花が咲くようなことはない。昔から私が図鑑や本を読んでる隣で一緒に本を読んだりゲームをしたり……。
そういう話さなくても落ち着けるような存在。
『蓮実くん、どうしたの?』
文字を書くのをいったん止め、視線を上げる。
『忘れ物取りに来た』
口ではそう言うけど、座ってるのは全然違う席だし、嘘だってすぐわかる。
蓮実くんは、本を広げて静かに読み始める。昔から嘘が下手。ていうか絶対バレてもいいと思ってるような嘘をつく。
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