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わたしは黒板をつかってプレゼンを始めた。
こうなると、頭がスッキリするまで止まらない。
ゆうに1時間使っていたみたいで、外は暗くなっていた。頭の中の考えを全部吐き出してスッキリしたけど席で座ってる蓮実くんはただ呆然としていた。
あれ、説明の仕方悪かったかな?
わかりやすくしたはずなんだけど…。
ていうか喉乾いた。
『あ………ごめん』
『いや……まぁそれはいつものことだから』
確かに。いつもスイッチが入ると制御できないのは悪癖。
『ここまで。でも…一番大切なのは、蓮実くんの気持ち』
『…ああ』
歯切れの悪い返事をされた。
『わたしは全力で応援するから、蓮実くんは自分の気持ちを大切にすること!約束だよ?』
席に戻って強引に蓮実くんの手をとって指切りをした。
『………俺、行くわ』
蓮実くんは立ち上がって教室から出ていってしまった。笑顔で手を降り見送り、席に戻って日誌を閉じる。
帰って恋愛小説読まなきゃ……。あと土日は本屋さんで………、そう思考を巡らせる。
学級日誌と書かれたところがだんだんぼやけていった。
日誌に涙がついてしまい、ティッシュでとんとんと叩いて水分を吸い上げる。
こんな気持ちになるのはおこがましい。
だめだめ、応援したらこんな気持ちなくなるよ
そう自分に言い聞かせて涙をハンドタオルで拭った。
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