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しゅんとされると弱いんだよ…
別にいってもいいんだけど、だけど…
「若葉ちゃんと行きたいなぁ」
優衣ちゃんはほんと、こういうところ上手。
もう断れないじゃん。
差出された雑誌をうけとって見せてもらった。
優衣ちゃんのチェックしてある箇所は、全部いったことあるし、土地勘もある。案内はできるなぁ。
しかも、三人が働いているお店はチェックなし……
うん、好都合。
「……わかった。家に連絡してみるね。2人でいいのかな?」
優衣ちゃんはわかりやすく明るい表情になって、わたしの両手を掴んだ。
「ありがと〜!」
優衣ちゃんに抱きつかれて狼狽える。すごい甘い香りがする。すぐに離れて、じーっと見つめてた。
こういうときの優衣ちゃんはなにかを感じ取っている。見透かすように大きい瞳を向けられてドギマギしてしまった。
「で、若葉ちゃんに手紙を送ってきてる人、どの人?」
「どうしてこの中にいるって知ってるの?!」
「女の勘だよ〜、なんとなく若葉ちゃんの反応がそうかなーって……あってる?」
「……えー……」
「で、どの人?」
「黙秘で!」
答えたら会いに行こうって言われそうだから、黙秘権を発動する。
察してくれたようでそれ以上は聞かれずに済んだ。
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