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車はトンネルをくぐってさらに懐かしい風景が広がっていった。
「そうだ、若葉。美沙ちゃんが会いたがってたわよ?正月もお盆も会わずに帰っちゃうから、あとはーくんも必ず休みになるとうちきて若葉来てるか確認するから手紙書いてあげて。返してないのよね?」
はーくんは、蓮実くんのこと。ぎくっとする。
「あ、そうなんだ。」
「観光するなら三人に会えるかもね。バイトしてるみたいよ?」
「あ、あの雑誌にのってたよね?」
優衣が食いついた。
「……うん」
はやくここはなし流れてよ…。
会うために帰ってきたわけじゃないから、会わないし。
ぜーったい会わないようにサングラス、マスク、深い帽子を持ってきたんだから。
私の家に付き、トランクから荷物を下ろす。昔の木族建築みたいな家に二人は圧倒されていた。小春ちゃんは嬉しそう。歴史とか古いものとか好きなんだよね。
「「お邪魔します」」
家の中に入り、私は二人を案内する。2階にある私の部屋に荷物をおいて、下にいる祖父母と両親と妹2人に挨拶をした。
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