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昼食はみんなで食べる。
友達連れて来るって言ってたからめちゃくちゃ気合入ってる。どれも美味しくてたまらずたくさん食べてしまった。
お腹を休ませると、小春ちゃんがウズウズしていた。早く観光したいらしい。
実はこの旅行の発起人は小春ちゃん。城とか城跡とか歴史的なものとか大好きで早くお城を拝みたいとのことだった。
お母さんに観光地まで送ってもらい、3人で予定していたルートを回ることにした。私が案内係で誘導する。
カメラでとったり、見学をしたり、友達同士の旅行って初めてだけどこんなに楽しいんだな。
ゴールデンウィークで観光客もそこそこいる状態。でも、警戒は怠らない。
わたしは帽子を深くかぶり直した。サングラスはやりすぎだから辞めてマスクはしている状態。
「その重装備熱くない?何にそんな警戒してるの?」
優衣につっこまれる。
「ま、いいじゃん。この城って歩いてどれくらい?」
小春ちゃんがスマホでチェックしているお城の名前を覗かせてもらう。
「えっと、20分くらい。ついたらちょっと休む?結構歩いたよね」
「喫茶店あるみたいだから、そこ行く?」
優衣ちゃんが雑誌のカフェを指さしていた。
蓮実くんの働いてるらしいお土産屋さんの近く……。
まぁでもいないかもしれないし。
「そうだね」
3人でカフェに向かうことになった。近づくに連れてそわそわ感が拭えずでも暑くてマスクを一回外してつけ直す。
「ごめん、やっぱ気になるわ。そこまでして会いたくない人たちっていったい何があったわけ?いじめられたの?」
小春ちゃんは気にしないでいてくれたんだけど限界を迎えたらしい。
こんなに警戒してたら勘ぐるに決まってるよね。
二人に知られたって、噂を流されるわけでもないし、もう言ってしまおう。
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