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2年生に進級して2ヶ月経つ。
あの日、私はお気に入りの月のモチーフがついてるドロップピアスを片方落としてしまった。
確かにレストランまではあったから、一回戻ったけど見当たらなくて。
すっごくお気に入りだったけど諦めた。
そして片方のピアスを見るたびにあの男の子の顔を鮮明に思い出す。
もうピアスも男の子も探そうとか思ってないけどね。
教室で掃除を終わらせて、掃除用具を片付けていた。
「瑠奈、部活行こよ」
小春にそう言われて、私は箒を片付けてロッカーを閉じた。
「うん、いこいこ、今日も最後まで相手してね」
「嫌よ、梓に頼んでくれない?」
「なんでよー、じゃあ梓に頼む」
そう言いながら階段を降りて靴箱に向かうと梓もいた。
「梓!」
「あ、ふたりとも一緒に行く?」
「もちろん、ねぇ、梓今日最後まで練習付き合ってくれる?」
「あーはいはい。小春に断られたんだね。いいよいいよ、あたしの番ね」
「ふたりとも酷くない?」
「瑠奈の練習に付き合ってたらだいたい寮に戻る時間ぎりぎりになるんだもん」
そんなこと話しながら弓道部に向かう。
ロッカーで着替えていると、スマホに通知が届いていた。
玲奈からだ。
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