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「玲奈?うん、まぁそうだね」
歯切れの悪い返事をしてしまった。
「ごめん、似てるってやだよね……」
「そんなの腐る程言われてるし、やだとか思ったことないよ。違う違う、聖和のバスケ部の彼氏ができたって言ってて気になっただけ」
「そっか、今からあってくるんでしょ?」
「うん、門限には間に合わせるから」
梓にそういって私は更衣室から出た。早足で門を出ると玲奈が彼氏さんと一緒にいた。視線があうと、会釈される。
え………?あれ………?
日本人離れしてる堀の深い顔、ダークブラウンの髪の毛と瞳、ツーブロックの髪型、前髪は前より少し長めになってけど、睫毛がくるんとしてて、あれ………?
「透・サキ・ラモン・サンチェスくん」
名前長いっていうか日本人離れしてるって思ったけど、もはや日本人じゃなかったんだ。
サンチェスさんは口角をあげて微笑んでる。玲奈の肩に手を回してなんか……胸が痛い。
え………?
涙でてきそうになってる。
その人知ってるよ、なんて言えなくて、多分サンチェスさんも私とは初対面な様子してる。
玲奈と顔を合わせてこそっと話してる。
あー、この様子は彼氏彼女じゃん。
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