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それは1年生の冬休み。
部活の要件で隣の聖和に体育館を貸してもらうよう頼みに行ったときだった。
一際目立つ男子生徒のことが目から離れなくなった。他とはあきらかに動きが違う。
先輩が話している間に、ずっと彼のプレイを見ていた。
あの動き、シュートの仕方、自分が今まで一番格好いいと思っていたプレイヤーを軽く越えた。
荒削りだけれど、それはたぶん高校生だから。
あんな動きしてみたい。
高1なのに推定180超えてて、綺麗にシュートを決める姿が目に入って離れなかった。
俊敏な動き、正確なゴール
顔もカッコイイのか、完璧か!
週に一回練習のために聖和に行くことになったけど、練習が終われば帰る。だから、その人とは交流なんてない。
「どんな人?歩夢くんに探してもらう」
歩夢というのは、優衣の彼氏のことだ。
「え、いい、まじでいらないから!」
「楓、名前くらい知ってもストーカーにはなんないよ」
小春に肩を叩かれる。
ストーカーになろうとは全然思ってないよ。ていうか言い方酷いな。
でも調べてもらおうかな。プロになる前にサインとかもらっておきたいし。
「…バスケ部、推定180くらい」
「もっと詳しく!」
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