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優衣はスマホでメモを取っている。
「……薄茶色の髪の毛…たぶんちょっと染めててワックスで固めてる、と思う。なんか行くといつも女子がいる気がする」
あたしに言われたことを全部打つと、にっこり笑った。
「じゃぁ、伝えておくね」
「よろしくー」
あまりに可愛かったから抱きついた。小春があきれてる。
「楓、優衣がつぶれそうだよ」
やば、と思って放すと、優衣は、息絶えだえになっていた。
***************
数日後。
優衣が朝食の時間にあたしのところにきた。
「わかったよ!!」
「ほぇっ?」
パンを頬張りながら首をかしげる。
「バスケ部のひと!!」
驚いて噎せこんだ。早っ。咳をすると、優衣は大丈夫?と気にかけてくれた。咳払いをして顔を整える。
「奥出湊くん。同じ高校2年生でバスケ部のエースだって!しかも歩夢くん、同室だったの。それにね、今は彼女いないよ!」
もったいない。あんなにかっこいいのにいないの?
いや、今は、だからすぐできるんでしょ。
「…ふーん」
その情報には興味ないとは言えないけど、無の表情にはなっていた。
「今度、練習試合あるから一緒に行こうよ。次の日曜日」
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