時盗理

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 あれから数年、まだ寂しい日々が続いているとは言い切れなかった。 「ほら、じいじ。抱っこしてあげてよ」  母親となった彼女が僕の次の宝物になった孫娘を連れて家を訪れるのを待ち遠しく願っている日々。 「お義父さんの約束、守ってますよ」  彼女の恋人は僕の良き理解者となっているが、それは同じ立場になったからだろう。 「あの人に任せられないからこっちにおいで」  嫁が僕と同じ様に喜んで手を伸ばしているが渡したりはしない。 「君の事は守り続けるからね」  こんな願い叶えたいけれど通らない事も知っているがまた嬉しい時は必ず有ると解っている。 おわり
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