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episode1
俺の名前は、遠矢 廉(とおや れん)28歳
身長185センチ、4大卒業+留学経験あり、見た目は世間でよくいうイケメンらしい。
今の会社に入社してまる3年。上司うけもよく、将来有望株らしい。
10月中旬の金曜日。
「ねえ遠矢、今日の夜時間ある?」
「なんで?もしかしてお前・・・・また?」
「またとか言わないで。で、時間あるの?ないの?」
「なくはない。」
「そ。じゃあ仕事終わったらいつもの所で」
この会話の相手は、同期入社の新藤 愛唯子(しんどう めいこ)25歳。
年齢は俺は留学しているから3つ年上。
こいつは身長165センチ、4大卒で入社している。見た目は黒くて長い髪が
印象的で美人系、性格がさっぱりしすぎているのが問題。更に付き合う男はダメ男ばかり。
入社当時、美男美女コンビで一躍有名になった。入社研修中になぜか気が合ってそれ以来つるむ事が多くなった。
といっても、もっぱら俺は「メイ」の失恋のグチ聞きばかりだ。
この3年間で何回、何十回、何百回はさすがにないが何かあるたびに呼び出されている。
【barエトワール】
「いらっしゃいませ。廉くんお疲れ様。」
ここのマスター、中森大吾さん(なかもりだいご)。このお店は入社して少しして会社の飲み会の後にメイと飲むことになってたまたま見つけた店。
隠れ家的な店で、2人で飲むときはここになっている。
「メイいます?」
「いやまだ来てないよ。」
「まいっか。じゃあひとまずビールお願いしまーす。」
「了解!メイちゃんはまた?」
と大吾さんが俺に聞く。
「そうなんじゃないですか?俺をここに呼ぶってことは・・・」
「メイちゃんも懲りないね。ここにいい男がいるのにね。」
「そうっすね・・・」
俺はメイに惚れている。片思い歴は2年ほど。最初の頃は俺にも彼女がいたしメイを女として認定していなかった。
メイのグチ聞きを始めて1年くらいしたときに、恋愛に一生懸命頑張る
メイに惹かれた。メイを見守りながら隙あらばと思って早2年・・・。
大吾さんにはすぐに気が付かれてしまったが、メイにはいまだに気づかれず・・・。でも絶対に俺のものにすることはその時から心に決めている。
扉の開くのと同時に、
「大吾さん、ビールお願いします」
とメイが店に入って俺の隣にすわる。
他の客がびっくりするも、メイの美人オーラにやられている。
「はい。メイちゃん。お疲れ様」
「遠矢、早いじゃん。はいお疲れー」
とグラスを向けられて、流れで俺のグラスをメイのグラスに当てる。
最初は仕事の話とかなんでもない話をしているのだが、酒の量が増えてくる
といつもの話になってくる。
俺そろそろ始まるなと思い、メイを奥の席に連れていく。
「で?商社マンの誰がどうしたって?」
と話を振るとメイのスイッチが入る。
「渡部さんねー。美人で連れて歩くのに申し分はないけど、かわい気がないってー。かわいい気って何よ?そっちが勝手に想像して付き合いたいって言って
さー。つきあったらイメージと違うって、なんだそれって思わない?」
メイは振られる時には見た目と違うとよく言われている。
美人で連れて歩くのにはよいが、性格が男前だからかわいくないと・・・。
「それにさー・・・Hもつまんないとか言われて・・・。モテるから経験豊富だろって言うんだよー。失礼だよね」
今回のやつとはそういう事したんだな・・・。大体3ヵ月くらい続けばいい方
だからなかなかそこまではいかない。メイはすぐにそういうことはしないタイプ。それも振られる原因の1つにあるのかもしれない。
「とおやーなんでいっつもこうなんだろ・・・。なにがダメなんだろう」
今日はいつにもましてグチグチだな・・・飲む量も多いし・・・・。
そろそろ俺も本気でメイを落としにかかるか・・・・。
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