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episode16
週明けの始業前に、部長に香坂のフォローを外して欲しいと依頼した。
理由を聞かれて、言うか言わないか迷ったが部長とは付き合いが長いから
俺の事を信じてもらえると信じて香坂との話をした。
部長は頭を少し抱えていたが、
「気づいてやれなくて申し訳なかった。距離の近さは感じていたんだが、
大学の後輩っていってたからあまり気にしてなかったんだが・・・。」
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「いや。遠矢は悪くないだろう・・・香坂は質が悪いなあ。新藤は大丈夫
なのか?」
「はい。彼女が俺を信じてくれているので。」
「そうか・・・」
「お互いの両親への挨拶は住んでいます。今の一緒に住んでいて、12月には
籍を入れる予定です。俺、部署の異動も正直考えています。」
「うちには遠矢がいないと困るよ」
「それはありがたいのですが・・・これ以上、彼女を傷つけたくないのも
現実にあって・・・」
部長は親身になって話を聞いてくれた。
香坂からは話してくれることになったので、ひとまずよしとするしかない。
先週の事はなかったかのように香坂が声を掛けてきた。
「遠矢先輩、おはようございます。彼女さんは大丈夫でした?」
「全然、問題はないよ。香坂のおかげで愛が深まったよ。ありがとな」
俺の言葉に顔がみるみるうちに鬼の形相に変わる。
香坂は無言で席に着いた。
部長から香坂が入社してから2ヵ月弱になったから業務のペアを変更
することを発表した。
俺とフリーになりフォローはつかなくなった。そのかわり亮二とペアになり
外回りが多い業務に変更になった。
ペアの変更になり席も変更になる。香坂は無言でデスクの中身を移動して
新しいペアの人の隣の席へ移動していた。
なるべく一緒に帰るようにし、遅くなりそうな時は亮二、翼、小泉に頼んで
前以上に愛唯子と香坂が鉢合わせしないように注意した。
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