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episode3
「メイ、今日なんかあるの?」
半パンに上半身裸でシャワーからでて俺は聞く。
「別に、なんにもないけど。フリーになったし・・・」
「買い物つきあってくれない?そのついでに買い物して飲みまくろう。
泊まってけばいいだろ?」
「いいね!いこいこ。でも着替えてきたい。」
「じゃあ。車出すから、お前んちよって必要なもの取ってくればいいだろ」
「助かる。やっぱ車あるのいいよね。じゃあこれ食べちゃってよ」
テーブルにはスクランブルエッグとウインナーとフレンチトーストが
出来ていた。
「うまい・・」
「ほんと?嬉しい」
めっちゃかわいい顔で言う。それはヤバイ・・・抱きしめたくなる。
俺が飯を食べてる間に、メイは昨日来ていた服に着替えていた。
「ごちそうさま。俺も着替えてくるから少し待ってて」
と食べ終わった皿を流しに持っていく。
着替えて部屋から出ると、メイが片づけてくれてた。
「ありがとメイ」
「泊めてくれたお礼だからね!」
メイのマンションによってから、せっかくならとアウトレットモールまで
足を延ばすことにした。
車の中でも2人で仕事の話がつきない。メイは仕事に対しても妥協はなく
とことんやるタイプだ。
俺同様に上司受けはいいが、気に入らないと思っている奴もそこそこいる。
「遠矢は何が見たいの?」
「冬物のコートとかかな・・仕事のものは結構そろってんだけどね。」
「私も冬物みたいな。同じショップのものが多いよねうちら。」
そうなのだ。洋服の趣味も同じで、別に合わせているわけではないが
いい感じになることが多い。
ガラス越しに見て、今日も俺たちはいい感じに見えると思う。
「ねえ。これどう思う?」
「いいんじゃね。失恋記念に俺が買ってやるよ。」
「そんなの嬉しくないよー。もっといい理由の時に買ってもらうから
これは自分で買う」
「そう。じゃあ俺は外で待ってるな」
メイはベージュのコートをレジまでもっていった。
俺は店の外にでてメイを待つ。
少ししてショップの紙袋をもったメイが俺に近づいてくる。
「お待たせ」
『めいこちゃん?』
その声に2人で振り向く。そこにはカップルがいた。
「渡部さん・・」
渡部・・・・ああ商社マンのね。もう女いんのかよ・・・。
『めいこちゃん、別れてすぐなのにもう彼氏がいるの?』
「違います。彼は会社の同僚です」
『もしかして二股かけられてた?』
「してません。」
『あんたも見た目で声かけたの?この女は見た目だけだからやめた方が
いいですよ。なかなかさせてくれないし、させてくれても感じもしない』
メイが隣で泣きそうになってる。
「こんな人前で、自分のSEXは下手ですって言ってるようなもんですよ。
隣にいるのはあなたの彼女じゃないんですか?彼女もお気の毒ですよ。
俺は彼女を見た目でなんて選んでません。失礼します」
メイの手を取ってその場を後にした。買い物どころではないと判断して
駐車場に移動して車に乗った。
「ごめんね。せっかく買い物に来たのに・・・・」
「いいよ。メイ、あいつの言ったことなんか気にしなくていいよ。俺は、
本当のメイを知ってるからな。」
と頭をポンポンとして車を走らせた。
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