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「さーて、今日から君たちL組の担任になる、朱月雀(あかつきすずめ)だ!よろしく!今日は授業内容の説明をしたら終わりだから、その後は各自下校するように!」
ふぅ、僕は授業内容の確認をしようと目を通してみることにした。
(...?この項目だけ...空白...?)
「あ、紬くん、この後進路指導室まで来るように」
「え...?」
(急になんで...?)
「おいおい、いきなり先生に呼ばれるとか、何もしてないのになぁ...?」
「う、うん、とりあえず行ってくるよ...」
「またなー!」
「またね」
(えっと...進路指導室...ここだ...)
こんこんこん...「どうぞ」
「あ、先生、来ました...」
「お、来てくれたんだね」
「はい」
「あぁ、そんなに固くならないで、怒る訳でもないんだから」
「え..?」
「君を呼んだのはね、質問したくて」
「質問...?」
「そう」
「えっと、どんな、ですか」
「君の前世は?」
「え?えっと、わかりません...」
「んんん、そうだよねぇ、じゃあ、もう一個」
「は、はい」
「最近見た夢は?」
「夢...?あ...」
「覚えあるの?」
「はい、あります」
「どんな夢を見たの?」
「村の人達に出て行けと、言われ、子どもたちには、知らないと言われ、石を投げられ、傷つけられた、から傘お化けの夢を...見ました...」
「そのから傘お化けは何か言ってた?」
「もしも、生まれ変われるなら人間に...って聞こえました」
「なるほど」
「あの」
「どうした?」
「なんで、そんなことを聞くのですか...?」
「あー、気にしなくていい...いつかわかる事だから」
「え...?」
「妖怪の生まれ変わりなんて言っても信じないだろ?」
「え...?そ、そんなのあるわけないじゃないですか、妖怪なんて、いるはずないのに」
「そうだよなぁ...」
「あの、先生...僕そろそろ寮に戻ります」
「あぁ、ごめんな、こんなことに付き合わせちゃって」
「いえ、大丈夫ですよ...」
「じゃ、また明日な」
「は、はい」
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