EPISODE1「から傘の目覚め」

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-帰り道- 「はぁ、なんだったんだろう、とにかく寮に戻らなきゃ、えーと、学生寮は...ん?」 (...が...い...なん...それは...) (...また、あの人たち...) 「早く帰らないと...えーと、こっちだね」 「はぁ、やっと着いた...僕の部屋は...って、あれ...?これは...和傘...?なんでここに...」 (動きは...しないね...) 「とりあえず、持っていくか...」 バチッ... (え?) 【ザザザッ....】 (あ、今日もみんな来てくれたんだね) 「当たり前じゃん!友達だぞ!」 (でも僕は、妖怪だよ?) 「そんなのかんけーないじゃん!」 (そっか、ありがとう) (これは...から傘お化けの記憶...?) 「ここに住むから傘には逃げてもらう...そのためには...」 「追い出すしか...ないんですね」 「辛いが仕方ない」 「そうですね」 (そっか、から傘お化けは、追い出されたんじゃなく逃がされたんだ...) 「この村から今すぐ出ていけー!」 (逃げなきゃ、このままじゃ僕が、壊される) ガッ、コツンコツン... 「行きましたね...」 「行ったな...」 「これでいい、これでよかったんだ」 「幸せになってくれ、から傘よ...」 ガッ、コツンコツン...ガッガッガッ... ガタンッ、ドサッ... (痛い、なんで、なんで、なんで) ポタッ、ポタッ、ザザーッ... (あぁ、もしも、生まれ変われるなら、人間に...) 「人間になればいいじゃないか」 (...誰?) ザッザッザッ... 【ザザザッ...】 「...か...お...ろ...」 (何か...聞こえる...?) 「おい、大丈夫か?起きろ!」 「ん...」 「紬!起きたんだな!」 ガバッ... 「ん...苦しい...」 「あ、すまない」 「あれ、幽...?」 「お前、寮の前で倒れてたんだぞ」 「そう...なの...?」 「俺が部屋まで運んでやったんだぞ!あと、なんかその傘大切そうに持ってたから一緒に持ってきた!」 「ん、幽、ありがとう」 「このくらい当然!またな!」 「またね」 「それにしても、なんだったんだろう」 (この傘...あのから傘と同じ見た目...) 「とりあえず、寝よう...」
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