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-帰り道-
「はぁ、なんだったんだろう、とにかく寮に戻らなきゃ、えーと、学生寮は...ん?」
(...が...い...なん...それは...)
(...また、あの人たち...)
「早く帰らないと...えーと、こっちだね」
「はぁ、やっと着いた...僕の部屋は...って、あれ...?これは...和傘...?なんでここに...」
(動きは...しないね...)
「とりあえず、持っていくか...」
バチッ...
(え?)
【ザザザッ....】
(あ、今日もみんな来てくれたんだね)
「当たり前じゃん!友達だぞ!」
(でも僕は、妖怪だよ?)
「そんなのかんけーないじゃん!」
(そっか、ありがとう)
(これは...から傘お化けの記憶...?)
「ここに住むから傘には逃げてもらう...そのためには...」
「追い出すしか...ないんですね」
「辛いが仕方ない」
「そうですね」
(そっか、から傘お化けは、追い出されたんじゃなく逃がされたんだ...)
「この村から今すぐ出ていけー!」
(逃げなきゃ、このままじゃ僕が、壊される)
ガッ、コツンコツン...
「行きましたね...」
「行ったな...」
「これでいい、これでよかったんだ」
「幸せになってくれ、から傘よ...」
ガッ、コツンコツン...ガッガッガッ...
ガタンッ、ドサッ...
(痛い、なんで、なんで、なんで)
ポタッ、ポタッ、ザザーッ...
(あぁ、もしも、生まれ変われるなら、人間に...)
「人間になればいいじゃないか」
(...誰?)
ザッザッザッ...
【ザザザッ...】
「...か...お...ろ...」
(何か...聞こえる...?)
「おい、大丈夫か?起きろ!」
「ん...」
「紬!起きたんだな!」
ガバッ...
「ん...苦しい...」
「あ、すまない」
「あれ、幽...?」
「お前、寮の前で倒れてたんだぞ」
「そう...なの...?」
「俺が部屋まで運んでやったんだぞ!あと、なんかその傘大切そうに持ってたから一緒に持ってきた!」
「ん、幽、ありがとう」
「このくらい当然!またな!」
「またね」
「それにしても、なんだったんだろう」
(この傘...あのから傘と同じ見た目...)
「とりあえず、寝よう...」
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