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-翌朝-
「ん...あれ、ここは、そっか、寮で疲れて寝てたんだ...」
(今日は、休み...?外に出てみよう...かな...)
「あ、この傘...持っていこう...」
-外-
(外に出てみたけど、何も起きない...)
「こんなところを1人で歩いてると危ねぇぞ」
「...誰...?」
「ところで、その持ってる傘いいもんだな」
「だから、誰...?」
「それくれね?」
「...嫌だ...」
「なぜ?」
「渡したら、壊される、気がする...」
「ほう...よくお分かりで?」
「あなたは...誰...?」
「俺か...?俺は..『妖魔』だ」
「!!!」(逃げなきゃ...)
ダッ...
「おっと、逃がさねぇよ?」
(どこか、遠いところは...!!!...あそこだ...)
「はぁ、はぁ、はぁ、うっ...まだ...うわぁっ...」
ドサッ...
「まだ、まだっ...走れる...もっと、山奥へ...」
「すばしっこいやつだな」
(正直...キツい...けど...)
「よし、追い詰めたぞ」
「まだ...っ...僕はまだ...っ...負けてない...」
「おいおい、正気かよ...まだ負けてない...って追い詰められてんだぞ?」
「それ...でもっ...」
(僕は...!!!)
パキッ...
「僕、はっ...」
「は?なんかひかっ...」
『僕はっ...まだ...負けていないんだ...っ!』
カッ...
「え...?傘...が、光っ...て...」
「おいおい...まじかよ...」
(傘を...僕を...もう一度...)
「そっか...この傘は...」
(そっか...やっと、わかった..)
「僕は...」
バサッ...
「僕は...から傘だったんだ...!!!」
(...力が、湧いてくる...!!!)
「そうかい、なら力ずくで、奪ってやるよ」
「負け...ない...僕は...この傘を渡すつもりもない...!!」
「そうかよ」
ダッ、ガッ...
「うっ...」
「はっははは!!ざまぁねぇな?勝てるもんならやってみろよ?」
(この技...を...)
「...これなら...」
くるくる...
「傘なんて回してなんになっ...!!!?」
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