EPISODE1「から傘の目覚め」

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EPISODE1「から傘の目覚め」

「いたぞ!こっちだ!」 「追いかけて懲らしめろ!」 「いつもいつも迷惑ばかりかけやがって!」 (やめて、やめて) 「これでもくらえ!」 (ヒュン、バキッ) (痛い、痛い、石を投げないで) 「出ていけ!もう二度と姿を見せるな!」 (なんで?なんで?僕はただ子どもたちを驚かせて 楽しませてるだけなのに) 「お、お前なんか知らない!誰だよ!」 (なんで、みんな、僕のこと知らないって言うの?) 「この村から今すぐ出ていけー!!」 (逃げなきゃ、このままじゃ僕が、壊される...) ガッ、コツンコツン...ガッガッガッ... ガタンッ、ドサッ... (痛い、なんで、なんで、なんで) ポタッ、ポタッ、ザザーッ... (あぁ、もしも、生まれ変われるなら、人間に...) 「...なさい」 ん...? 「紬!起きなさい!」 「あ、お母さん、おはよう...」 「いつまで寝てるつもりなの?今日は入学式よ!」 「あ、ごめん...今すぐ準備する」 「朝ごはんも食べなさいよー、今日から寮生活なんだから」 「そうだった、うん、行ってきます」 「行ってらっしゃい、たまには帰って来るのよ」 「わかった」 僕の名前は絡紅紬(からくれつむぎ) 今日から、聖桜華高校に入学する... クラスに馴染めるか不安ではある 「...ん?あの2人...なんか見た目少しだけおかしいような...」 (...が、い...ひと...ね...) 「なんか聞こえるけど...あ、遅刻する、行かなきゃ...」 (はぁ、はぁ...) 「う、やっとついた...遅刻は...してないみたい」 「よぉ、お前も今日入学か?」 (?!) 「あ、悪ぃ悪ぃ、驚かせる気はなかったんだ」 「え、あ、えーと、君は...?」 「俺か?俺は狗噛幽(いぬがみかくり)俺も今日からこの学校の生徒、お前は?」 「あ、僕は...絡紅紬...今日から入学でここでは寮生活することになってる...」 「お、そうか!よろしくな紬!俺のことは幽でいいぞ!」 「え、あ、うん、よろしくね、幽...」 「っと、話はまた今度だ遅れないうちに行くぞ!」 「あ、そうだね」 「走るぞ!」「わかった」 そうして2人は校舎に駆け込んで遅刻を回避できたそうな。
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