AIに、BL小説の続きを書いてもらいました

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 ここで、何時間か時を逆流させて回想に入りますね。今日の午前中です。  俺たち一行は、新幹線に乗って目的地である京都に向かっていました。まぁ、静岡らへん通りかかったあたりでしょうか。  俺はスマホで色々と検索をしつつ、隣の席で爆睡する岩本の胸板と股間を凝視していました。流石に、クラスメートが全員揃っている前でBL小説を執筆出来るほど俺の心臓は豪胆ではありません。  今回の話とはまったく関係ないですけど、岩本が窓際の席を譲ってくれたり荷物を上げてくれたりですっごい優しかったんですよね。マジで紳士。もう、天才♡  さて、トゥイッターを見回っていると評判のAIで生成したイラストとやらが目につきました。マジで、最近のは違和感がないですよね。今目についた「AI n○vel」とやらが、アニメっぽい絵柄も難なく生成してくらしい。マジか。絵師の方々、食いっぱぐれじゃねぇ?  俺は、絵の腕は全然だしなぁ。これでイラストを生成してもらえるなら、エブの表紙絵に使えるかも…。そう思って、何の気なしにググってみたのですよ。そうしたら…。  「AIの○゛りすと」?画像生成とは、また違ったAIが検索に引っかかりました。何と、途中の文章まで入力すると続きを書いてくれるらしい。世も末だ。これは、絵師どころかBL作家も食い上げだなぁ。  ものは試しに、ちょっと文章を入力してみるか…。そうだな。『みなさんこんにちは。伊勢嶋雪兎17歳ホモです。今日は、修学旅行で京都にやって来ました』…と。これで、どうかな?生成された文章を、読んでみると…。  清水寺で、思わぬ娘から声をかけられた。この顔は、幼馴染(巨乳)の如月桃ちゃん!彼女は大きな胸を揺らしながら、「ゆ・う・と・くぅ〜ん!」と駆け寄ってきて…。  はぁ!?ホモに優しくねぇ!BL小説だって、言ってんだろうが(※言ってません)!いねぇよ、女の子の幼馴染なんざ!あと、ゆうと君じゃなくてゆきと君な!別のキャラになるわ!  あぁ、時間の無駄だった。所詮は、AIかよ。効かないボス相手に、ザラキでも唱えているのがお似合いだ…。これは絵師はともかく、BL作家はしばらく食っていけそうだ。何より何より。  最近の小説ばかりを取り込んでいるので、異世界転生ものが生成されやすいとは評されていた。それはそれで、俺の趣味じゃないんだよなぁ。  あれ?でも俺も確か、二年の冬ごろに異世界転生するんだっけ?なんか時系列が前後しすぎて、作者ですら俺の設定をよく把握出来なくなってきたぞ…。  とまぁ、長くなりましたがこんな事があったのですよ。以上、回想終わり。  時を戻しましょう。いま清水寺にて大きな乳を揺らしながら迫ってくる彼女は、俺の幼馴染とのたまう如月桃。要は、AIで生成した小説の展開がそのまま現実のものとなった訳ですね。  そうはならんやろ、って?今現在、実際にこうしてなっとるやろがい!
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