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「初恋」村下孝蔵
多分、読者の皆さんは知らないでしょう!笑
昭和時代の曲です。
そういう俺もリアルタイムでは知らず、歳を重ねてから良さを実感しました。
どちらかと言えば、1970年代、80年代の昭和歌謡が好きなんです。
この時代は歌詞が秀逸。
一曲一曲が物語になっているんです。
決して直接的な表現は使わないからこそ、この詞は何を言わんとしているのか、何を伝えたいのかを聞き手に問いかけます。
字面だけではぼんやりしてしまうものの、自分の身に置き換える事でわかるんです。
「五月雨は緑色、悲しくさせたよ、ひとりの午後は」
「夕映えは杏色、帰り道ひとり、口笛吹いて」
1番と2番の冒頭。
続いて、
「恋をして、寂しくて」
「名前さえ、呼べなくて」
恋をしてるのに寂しく悲しい…季節は初夏で緑が雨でより濃さを増しているというのに。
好きなのに名前さえ呼べない辛さを、口笛吹いて紛らす帰り道。
SNSが身近にある現代では、ある意味非現実。
ただ、好きを伝えられなかった、今なら伝えられたのに、そんな誰もが経験する事を書いているだけ。
「浅い夢だから、胸を離れない」
初恋をこの表現で締める。
儚い夢だと大袈裟だし、淡い夢だと本気度が伝わらない。
だから浅い夢なんだな。
浅はかというような意味合いと、人を好きになる深さを知らなかった時代の恋だから浅いと表現したんだと。
その思い出が離れないのは頭からじゃなくて、胸なんだと。
知らず知らず経験を重ね頭で考える恋じゃないから。
こんな初恋の詞をかける人はもう現れないような気がしますね。
ちなみに、村下孝蔵さんは若くしてお亡くなりになっています。
知らない方は、便利なYouTubeで検索して聴いて見て下さいね。
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