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光心(こうしん)大学、社会学部へようこそ!」  光心大学の第一体育館。  溌剌(はつらつ)とした笑顔でステージ上に立っているのは、二年生の赤枝(あかえ)真葵(まき)である。  バスケットコートが二面ある体育館にはパイプ椅子が並べられ、入口で受付を済ませた社会学部の一年生が順々に着席していく。  ステージ袖には出番を待っている三年生の『DST』メンバーが腕組みをして、初々しい新入生の様子を見守っている。  パイプ椅子はどんどん埋まり、遅れてきた者は座る場所を選べず、仕方なさそうに空いている椅子へと腰をおろす。最前列ど真ん中だけがぽっかりと空き、最後にその席へと着席したのは、新入生の中で一番のイケメンと噂されている犬飼(いぬかい)檸温(れおん)だった。 「改めまして、光心大学社会学部へようこそ! わたくし『ディスカバー制度』説明会の進行役を務めます、二年の赤枝真葵と申します。以後お見知りおきを」  胸に手をあて恭しく頭をさげる真葵に、一年生から遠慮がちな拍手が送られる。
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