霊媒師 夕霧弥生 第四章 運命

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キッチンからいい匂いがする 「お待たせぇ、わぁ美味しそうね」 「どうよ?俺の腕は本格的だからよ」 「さあ食べようや」 みんなでテーブルを囲み食事をした リン、ふう、ゴン太は、MY皿でガツガツ食べている 「美味しい、流石ライね尊敬しちゃうわ ライのレストランって何処に有るの?」 「レストランって程の、いいもんじゃねえ 小さいめし屋だ 埼玉県の外れだ、スタッフに任してあるんだ 俺の顔は誰も知らねえ 18歳で、店持ってたらヤバいしよ 指図は電話だけだ、オヤジさんに任せてあるんだ 俺はバイトとして、時々店に居るけどな 店の名前は、ゴン太だ」 「なるほど、そのまんまって感じだね」 まだ18歳で、どうして店を持ってるの? イケメンで学生でしょ?」 「実はな、俺は32歳だった」 「ん?32歳?32歳なの!どう言う事?」 「結婚して、4歳の子供もいた名前はルナ この力の事は、家族には秘密厳守だろ 苦しいもんだけど、幸せだった 有る悪霊と戦った時に、ヤバい一撃を食らって 18歳になっちまったんだ 師匠に聞きに行ったら、呪いのせいで歳を取らなくなってしまったんだって知らされた 治す手立ては無いと... 妻に仕事の事は言えねぇし、妻の結衣と 子供のルナに合う事も出来ず、遠くから見守るしかなかった 生活費は、俺は死んだ事にして保険で賄えていた 時々夜中に、顔を見に行きルナの頬を撫でて..... 年月が経つにつれ、妻も子供も年老いて死んだ 孫も抱けないまま、死んじまった 自殺しょうとも考えた、どれ程辛いか分かるか? 俺が生きてる限り、俺には跡取りすら出来ねぇ みんなが年老いて死ぬのを見たくねえが 俺は、戦い続けるしかねえんだ 夕霧もビナも年老いて死ぬのを見る事になる 夕霧とビナの跡取りと、又戦い続けるだけだ」 「辛い事聞いてごめんねライ.....」 「夕霧、俺は人間で有りながら、歳を取らねぇ 俺は俺は......呪いをかけた悪霊を探して絶対に ぶっ殺す!」 ライの目に涙が溢れた ビナも私も、ゴン太、ふう、リン みんなが、すすり泣いていた 「ライ大丈夫やで、俺らはずっと一緒に いてるやん 俺らは不死身やねんから、人間違うけど.....」 ゴン太はライにしがみつき、泣いていた ライは人間として、考えられない生き方しか 出来ず、何度も仲間達の死を見て来たのだろう 私は、泣きながら言葉さえ掛けられなかった
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