霊媒師 夕霧弥生 第四章 運命

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ライは辛すぎてゴン太を抱きしめ、部屋に 駆け込んで行ってしまった 「ビナも知ってたんだね、私なんであんな事 聞いてしまったんだろう ライごめんね、本当にごめんね」 「知ってたけど、本人からしか話してはいけない 鉄則なのよ、黙っててごめんね夕霧」 その日はみんな部屋に閉じこもり、誰も出て 来なかった 私は食器を洗いながら、泣いていた 部屋に戻り、ベットに横たわり何かいい方法は 無いか考えた 「リン、どうしたらいいの?何とかならないの? 師匠にも治せないと言われたんだよね..... 私ライに呪いをかけた悪霊を許さない どんな悪霊なんだろう 今はライに聞けないし、落ち着いたら聞いてみる」 「夕霧、悪霊を殺ったとしても、ライは元に戻る 事は出来ないだろうな」 「でもひょっとしたら、元に戻るかも 知れないじゃん!」 「夕霧あまり期待はしない方がいいのではないか?」 「そうだけど......」 「人間は複雑な生き物だな」 「そうよ、複雑な生き物なの!」 「私も力になろう」 「うん、ぶっ飛ばしてやるわ!」 「分かったが、どんな悪霊か聞いてからだな 落ち着け夕霧」 「落ち着いてるわよ!」 「そうは見えぬが......」 「リンに当たっても仕方ないよね、ごめんね そうだ、リンの鳥の名前調べてあげるからね」 パソコンで色々と調べ、長く探して見るも 似た様な鳥が居たがリンとは同じでは無かった 「やっぱり居ないね、ごめんねリン」 「この世に存在しないのだろう、気にするな」 リンは少し寂しげだったので、気晴らしに リンと私の戦闘服を着た絵を描いた かなり、時間を掛け絵は完成したが あまりにも酷い絵だった 「小学生より、情けない絵じゃん!」 「だが鳥には見えるぞ、これが夕霧だろう?」 「そのつもりだけど.....」 「これでいい絵だと思うが」 「リン無理しないでいいよ、お風呂入って寝よう」 「そうだな、全て忘れて寝よう」 「リン、言い方!」 「.....」
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