霊媒師 夕霧弥生 第四章 運命

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その頃、私とリンは細い路地裏で、夕霧としての 姿になり、後藤刑事の元にに急いだ 「こんにちは、お電話頂きました夕霧です」 後藤刑事は電話等掛けたのかと、頭を傾げている さっと後藤の手に触れた 記憶を元に戻したのだ 昼休み中なのか、後藤しか部屋には居なかった 「あっ夕霧さん、お待ちしてました お久しぶりですな、お元気でしたか?」 「はい、後藤さんもお元気そうで それで見つけたんですか?ご家族の事件」 「そうなんです、長年納得が行かず調書を 読み直したら、変な所が気になって 夕霧さんに見て貰いたくてですね お電話差し上げた次第ですわ」 「何処がですか?調書を拝見してもいいですか?」 「これです、それと当時の写真や遺留品です」 当時の調書には、妻の後藤由紀子32歳と 長女愛5歳が夕方6時頃買い物から帰り テーブルの上に買い物の荷物を置き、行方不明 買い物のレシートから、時間を割り出した 後藤刑事が家に帰ると部屋に荒らされた様子も 無く、家出した可能性あり だが、後藤刑事は有り得無いと言う 手紙すら無く、目撃情報も無く、捜査開始した 数日後見つかった場所は、山梨県の山奥であった 遺体発見したのは、千葉県の山奥に暮らしていた 老夫婦からの連絡であった 老夫婦の名前は田中良三71歳、妻清子69歳 二人暮らしで、事件とは無関係と断定 妻は自殺の様に木に首を吊られ、腹を裂いて内蔵を 食われていた 子供も首を絞められ、内蔵を食われていた <何て惨い!可愛い想に.....> 抵抗した後も無く、知り合いの可能性あり 既に殺されていた可能性があり、殺されてから 2週間前と推測される 変質者の可能性も重視ありと記されていた ショルダーバックには、お金もカードも入っていた 周りに靴後さえ無く、妻達の足に土は付いていない 妻と子供の靴は家にあった どうやって、千葉県迄運んだのかは不明 唯一小さな黒い欠片が、落ち着いていた 調べた結果、鱗の様な物だが厚みから見て かなり大きな鱗で、何の鱗かは断定出来ないと 記されていた 私はおかしいと私は思った 悪霊の仕業かもしれないと....... 「これがその鱗ですね?」 手に取り、大きく深呼吸してその鱗を握りしめた <これは!悪霊の鱗の一部だ、人間に乗り移り 意味も無く殺した、相当惨い人間だわ 犯人も悪霊になってしまっている 内蔵を食べたのは悪霊になった人間だ! 人間の心を吸い尽くされ悪霊に......> 「それで犯人は?」 「残念ながら分かりません」 <やはり間違いない、人間が悪霊になる事は よく有る事だわ もう、人間の姿をしていないわね この鱗が物語っている、既に14、5年前の事だし 悪霊の姿が見えない 何処に隠れているんだろう? これは、私一人では無理だよリン> 「この鱗をお借り出来ませんか?」 「夕霧さんならいいですよ、どうか犯人を 何故妻と娘が、惨い殺され方をクソ!」 後藤は机を思い切り叩いた 「後藤さん、落ち着いて下さい 今日の所は帰ります 只言えるのは、犯人はもう亡くなっています」 「誰ですか!名前は? 亡くなったって自殺ですか?教えてください お願いします夕霧さん」 「杉谷真二当時34歳、住まいは練馬区...です 火事でもうありません、残念ですが.....」 「そんな.....クソ!」 後藤の手を握り又記憶を消した そして額に指を当て、眠らせた 「ごめんなさい、後藤さん 必ず由紀子さんと愛ちゃんの為に 殺ってやるから!見せてあげられないけど これだけは覚えておいてくださいね 今、夢で由紀子さんと愛ちゃんと会えるから それで最後のお別れしてくださいね もう、元の刑事に戻るべきです 由紀子さんも愛ちゃんも、それを望んでいます 後藤さんの、辛い事件は解決しましたよ さようなら、後藤さん」 「ここに残ってる人達も、少しづつ助け出すから 待っててね」 調書等を片付け、部屋を出た 未解決事件の箱が又ザワついた
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