霊媒師 夕霧弥生 第四章 運命

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兎に角、少しでも時間があれば眠る 戦いに備えて、それが私達に課された使命なのだ 私は改めて、身を引き締めた 風呂に入り、早々にベットに潜り込んだ 「リンおやすみ」 「おやすみ夕霧」 疲れ切った体を、ベットで眠れる幸せそうなリンは眠っていた リンを撫でながら、ライ達が心配だったが いつしか深い眠りに落ちていった その頃、ライ達が呼ばれた家の上を周り 中の様子を見ていた 「あれは!あの母子に取り憑いてるクソ野郎だ」 「可哀想に長い間、苦しめられてたんやな かなり貧困生活みたいや 人間になり済まし、母子を縛りつけてやがった 母子は誰にも言えず、クソ!ライ殺ってまえ!」 「おうよ!可哀想な母子だな おい、コラ!お前なんで母子に取り憑くんだ 此処迄上がって来やがれ!」 「ハア?俺はコイツらの父親だ! どうしょうと勝手だろうが」 「父親だと!お前はもう死んでるんだ ただの悪霊でしかねえんだ 気づいてねえのか!」 「フン分かってるさ、俺は悪霊だ だが、コイツらが幸せになるのは許せねえんだ!」 「お前に何も悪い事して無いじゃねえか 毎日呑んだくれて、母子を殴る蹴る シャブ漬けで最低だぜ それが父親と言えるのか!笑わせるな!」 「なんだとぉ」 父親の姿をした悪霊が本性を現した 醜い化け物だ 「キャ〜」 若い母親は人間の夫と、思い込んでいたのだ 家をあけ、帰って来ては殴る蹴るの日々 野垂れ死にした事を知らず、耐えて来たのだった その醜い化け物を見てしまったのだ 咄嗟に、母子を眠らせた 母子はぐったり倒れ眠っている 「今やで!ライ」 「出て来い、弱い悪霊ちゃん」 「何だとぉ」 化け物は窓から、ライ目掛け飛んで来た
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