初秋の候

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初秋の候

朝ぼらけ 遠くにみゆる 蒼き富士。 秋雨か したりしたりと 露ゆらし。 雨の中 寒さが襲う 中秋の。 朝ぼらけ 遠くの空に 富士の山。 早朝の 静けさ乱す ヒヨドリの。 ベランダに 青み鮮やか メジロ来る。 秋始め 冷えた空気が 頬撫でる。 夕立の 後に吹き込む 秋風の。 ベランダに 植えた桜の 愛おしさ。 空高く 拡がる絹の 帯ひさし。 雷や 秋が始まる ファンファーレ。 夕暮れの 風に紛れる 蟲の声。 朝風に ふと感じるは 秋気配。 ベランダの 植木の葉っぱが 色づきて。 月夜にて ビール片手に ほろ酔いで。 蟋蟀が 葉陰で囁く 夜長かな。 長い夜の 暇もて余し 長酒し。 秋の夜の 静かなる闇 親しみに。 世の中に あわれと想う 蝉堕ちて。 森の中 つくつく法師が 経を読み。 朝ぼらけ 蔓の滴る 葛かな。 雷が 街中巡る 昼下がり。 静かなる 雨が降るなり 夜半かな。 夕暮れの 雲のまにまに 光る星。 夕暮れの 淡く陰るに 月かかる。 缶ビール たった1個の 幸せや。 真夏日に ビール冷やして チキン食う。 夕暮れが やや早くなる 秋の日に。 ついさっき 朱色の空が 黒くなり。 日が暮れて 真昼の陽気が 淡くなり。 寒暖計 昼間の温度に 知らん顔。 砂浜が 過ぎ行くままに 俺の夏。 真っ昼間 烈光注ぐ 砂浜の。 未だ暑い 昼間の日差し 焼ける道。 雨恋し ベランダの草 シオシオと。 久方の 雨の一粒 待ちわびて。 ツクボウシ コオロギ等が 大合唱。 蒸せ反る 台風近づく 昼下がり。 朝風に ふと感じ入る 秋気配。 夜半過ぎ 突如の雷 臍隠し。 日暮れ闇 雨の一降り 光る空。 雷が 目の前で目落ちる 昼下がり。 雨粒の 一つ一つが 愛しくて。 未だ暑い ベランダの植木 萎れたる? 夕暮れが 早くなったと カラス達。 夕立を 待ちわびるのは 我だけか? 秋気配 感じるような 夜風なり。 明け方の 濡れてる庭の 石仏。 吹き渡る 薄れた夏の 残り香か。 晴れ渡る 空に浮かぶは 絹の布。 涼しさや 吹く風ススキ 揺らし行く。
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