冬の候

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冬の候

 冬の川 カワセミぽつん 待ちぼうけ。  寒き朝 身体に沁みる 熱き珈琲。  氷雨降る やや暖かくなる 午後にて。  度々の 暖かき風 頬なぶる。  朝早き 頃に降る雨 足止める。    ストーブに お鍋をのせて クツクツと!  飲み干され 道に転がる 空缶よ。  朝靄が 吹き払われる そんな朝。  家々に 色とりどりの 灯が灯り。  もう一枚 シャツを着込んで クサメする。  寒さをば 鼻先あたりで 吹き飛ばし。  氷点下 風が吹く度 身が縮む、  手が痛い 顔も痛いし 頭寒!  間違って 買った馬券が ニ着なり。  クリスマス ジングルベルと 赤提灯。  明け方の やけに静かな 大晦日。  夜明け前 ふと静けさが 忍び寄り。  夜明け前 ただこの時を 延々と。  元旦を ながむる時を 睡やらん。  箱根路を 若人たちが ただ走る。  温かき 光指す窓 独り占め。  未だ正月?七草迎え だれまくる。  青空に 光が踊る 小雪記。  満月の やや内側に 点を打つ。  白き息 虚空に吐き出す 夜半の月。  光差す ベランダ遊ぶ 小鳥たち。  北風が 川面を撫でる 正月の。  1月の 雨が振らずの 空天気。  木枯らしが 街の隅々 凍てつかせ。  冬日中 幼虫這い出る 草の上。  北風に 背中押されて 赤提灯。  昼日中 唯唯寝倒す 休日や。  立ち並ぶ 飲み屋の灯り 袖を引き。  寒き雨 更に輪をかけ 窓に露。  北風の 寒さにめげる 植木鉢。  誰彼に 褒めてもらおう 思わずに。  早朝に 身を切るような 風が吹く。  匂い立つ 梅の小枝に 花一輪  氷点下 分厚い氷の 手水鉢  木枯らしが 街の隅々 凍てつかせ。  新しき 鉢植えの花 シクラメン。    如月の 春の陽気に 梅の花。  ベランダに 誇り咲くのは 梅の花。  新しい 鉢植えに咲く シクラメン。  追儺 掛け声遠く 豆を撒き。  夕暮れの 時が移ろう 彼岸前。  雪降の 一夜明けたら 春日和。  起き抜けの 真冬の街に 雪が降る。  夕暮れに 静かに降るか 銀の玉。  吹く風が 頬を嬲るも 柔らかく。  木の芽時 麗らかなるは 小鳥たち。  ベランダに 小鳥舞い降り 落とし物。  柔らかな 日差しの中の 菊を取り。  温かき 風が吹く度 目に涙。    
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