春の候

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春の候

温かき 風が嬲るか 頬の皮。 暖かき 朝日が昇る 東天。 晴れた日は 強き風にも 微笑んで。 朝ぼらけ 西の空には 残る月。 たまさかの 春の日差しに 出る蕾。 雨降りの 妙に温きは 南風。 蕾つく 三年越しの サクランボ。 果樹植える ある平日の 昼下り。 昼日中 額にジワリ 汗が浮く。 雨が降り 目とか鼻とか 楽になり。 春うらら ベランダガーデン 花盛り。 ツツジの芽 赤く点るか 春爛漫。 朝早く そぼふる雨に 濡れる街。 春うらら 鶯鳴くや ポコチョンチョン。 春うらら 鶯鳴くも へたくそに。 春うらら 躑躅咲くかや 鮮やかに。 春霞 遠くにみえん 富士の山。 春分の 朝日の高さ 見違えり。 春雨に 散るか散らぬか 桜花。 春雨の 濡れて微笑む 躑躅花。 春雨を 迎える花々 楚々として。 菜の花に 見間違えるか 葉牡丹の。 八重咲きは 桜だけでは 有りません。 朧月 そぼ降る雨の 春の宵。 吹風に ふと湿り気を 感じるか。 あける空 昨日今日より 明日早く。 柚子の花 当たり年にて 満開か? 雨と風 春の前触れ 吹きすさぶ。 草を薙ぐ 春の嵐も 凜として。 桃色に 八重の桜が 色づきて。 雨が去り 吹く風草木 そっと撫で。 春雨が 無慈悲に散らす 桜花。 風荒れる 暖かくもある 春の雨。 蕗の薹 土筆薇 わらび餅。 麗らかな 春日の日々に くもり空。 朝日差す ツツジの花の 艶やかさ。 春麗ら ベランダガーデン 花盛り。 ベランダに 小鳥舞い降り 落とし物。 暖かき 雨の降る日に 咲く躑躅。 春の雨 微笑むように 咲く躑躅。 晴れた日に ガーデンショップ ぶらり入。 汗が浮く 額の皺を 手で擦り。
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