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会って数秒の神父と、絡んできた不良が勝手に納得し合っている。非常に、非常に悔しい。遺憾だ。こんなことがあっていいのか。しかも反論する機会はなく、たぶん、反論しても馬鹿にされる気がした。
「ちゃんと見ててやれよ。マクスウェル様にバレたら大事だぜ。友人もろとも八つ裂きにされて食われちまうからな」
「ああ。悪かったな。こいつにはちゃんと注意しておくからさ。その調子で警備を頼むよ」
「おう」
そんな会話を経て、ようやく不良たちは去って行った。しかもあの不良たち、単ある不良ではなかったらしい。自警団の一員だったようだ。
「おい。大丈夫か。魔導師ってのは感情を表にしてはならないはずなんだけど」
「――た、助けていただき、ありがとうございます」
まさにそのとおりの指摘を受けて、ぐうの音も出ない。そう、魔導師は国の威信でもある。顔は常に無表情であることが美徳とされ、笑顔は時を選んできっちり微笑むものとされている。
その笑顔を今見せるべきなのだが、ラグランスはむすっとしてしまった。無理なものは無理。そんな美徳なんてくそくれえだ。
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